個人輸入の税関申告体験レポート
2021/08/25
発信者 : ISHIZUKA
2021年6月某日、自社の韓国からの船便輸入貨物の引き取りに、大阪南港に行ってきました。
今回はその体験レポートです。
出かける前の準備として、以下の書類を用意しました。
船荷証券 B/L(Bill of Ladding)のコピー
海外の発送元が貨物を運送会社(船会社)に引き渡すと、船会社がその受領書として発行してくれます。通常は、船が出航したら発送元がメールで送ってくれます。
インボイス(INVOICE)
商品の売り手、買い手、商品名、金額等が記載された請求書です。
通常は、商品注文時に海外の売り手が発行してくれます。
パッキングリスト(PACKING LIST)
貨物の個数、サイズ、重量等が記載された梱包明細です。通常は発送後に海外の売り手が発行してくれますが、省略(インボイス記載)される場合も多いです。
商品カタログ
輸入したい商品について税関窓口で説明する時に使用します。カタログや写真を用意して持って行ったほうがよいでしょう。
貨物到着案内(Arrival Notice)
貨物が日本の港に到着すると、運送会社(船会社)からメールやFAXで貨物到着案内が届きます。届かない場合は、船荷証券 B/L(Bill of Ladding)に記載してある日本の代理店窓口に連絡して取り寄せる必要があります。
この書類は請求書も兼ねている場合が多いので、運賃や諸費用の支払いが必要なら代金を運送会社に支払います。
※どこの税関で輸入申告をして、どこで貨物を引き取ることができるかを上記の書類(船荷証券か貨物到着案内)で確認します。
船便の場合で、東京港、横浜港、大阪港のような大規模な港は、船により担当する税関の場所が異なりますので、注意が必要です。わからない場合は、運送会社(船会社)に問い合わせます。
Delivery Order (D/O)
これは運送会社(船会社)に運賃等の諸費用を支払えば発行してくれますので、事前に銀行振込で支払って発行してもらって下さい。港の窓口でも現金で支払うことができますが、事前に支払った方がスムーズに進むと思います。
ポイント①
上記の必要書類を揃えてから税関窓口に申請に行きます。このとき書類を税関窓口に提出しますので、自分の控え用のコピーも持っていくといいと思います。
ポイント②
はじめての場合、事前に各税関内にある税関相談室に電話で問い合わせをして、「個人輸入の自己申告をしたい」と相談してから行かれた方が、スムーズに手続きができるかと思います。
税関窓口によっては、事前に書類をFAXで送ってから訪問するように勧められることがあるようです。その時、どの時間帯が比較的空いているか聞いてから窓口に行くと親切に対応してもらえると思います。
※ 注意 ※
他人の貨物を個人が代行して申告することはできません。
必ず自分で購入した貨物だけ申告して下さい。品目数が多い貨物は手続きが複雑になりますので、通関業者に依頼されることをおすすめします。
いざ税関へ!
大阪税関南港出張所に入ると、二階に個人申告用窓口がありました。
税関内は許可を受けないと撮影禁止の掲示がありましたので、建物内の写真撮影は遠慮させていただきました。
業者の輸出入税関申告はオンラインで処理されていますので、月曜日の午前中に訪問したのですが、建物内は訪問者はほとんどいませんでした。申告窓口にも誰もおらず、税関職員の方はひたすらコンピューターにアクセスして申告処理を進めているといった印象です。
個人申告窓口も当方以外は誰もいなかったので、すぐに対応してもらえました。窓口に置いてある申告依頼書に記入してから、横にある税関申告用のコンピューター端末を利用にして申告入力をします。操作マニュアルも傍らに置いてありますが、はじめての場合は、職員の方に手伝ってもらいながら入力することになります。
入力が完了し申請ボタンをクリックすると、納税する関税、輸入消費税が確定します。今回は書類申請だけでしたので、その場で職員の方から納税用の支払票を印刷していただきました。
納税は税関内の別の部署ですので、一旦窓口を出て納税をしに行きました。
税関では現金でしか納税を受け付けてくれないようです。近辺にはATMも見当たりませんでしたので、あらかじめ現金を用意して下さい。
納税後、支払票に領収印をもらえますので、再び個人申告窓口に行きます。輸入申告が許可になると職員の方から「輸入許可通知書」がもらえます。
ポイント③
今回は書類申請だけでしたが、内容により貨物の税関職員による検査が必要になることがすあります。この場合は、貨物を船会社の保管場所から税関の検査場所に移動させる必要がありますので、職員の指示に従って下さい。
貨物引取りへ
税関からもらった「輸入許可通知書」と、船会社の代理店(運送会社など)からもらったDelivery Order(D/O)(ディーオーと呼ばれれいます)を持って、貨物の保管先に行きます。
わかりにくいかもしれませんが、倉庫の脇に事務所(D/O交換場所)があると思います。
搬出書類に記入をして窓口に提出します。追加で支払う費用(保管料や搬出料)があれば、ここで現金で支払います。
この時、車両番号の記入が必要になりますので、レンタカー等で引き取りにいかれる場合は控えをお持ち下さい。
窓口を出て倉庫で待っていると、係の人が貨物を持ってきてくれます。
これで個人輸入の自己申告は無事に完了しました。
今回の場合、所要時間は約1時間程で完了しました。