円安の現在、アメリカ、オーストリア、イギリス等への留学(短期語学留学、長期留学)には、かなりの学費と滞在費用の負担が必要になります。
そんな今だからこそ、日本の私立大学の学費と大差ない金額で授業料や現地滞在費が賄えるフィリピンの大学への留学を検討されてみてはいかがでしょうか?
ただ、日本の代理店を通じて紹介されるフィリピン留学(その多くはセブ島にあるようです)は、英語学習を目的とした外国人(日本人、中国人、韓国人が主な生徒さん)向けの語学留学なので、正規のフィリピンの大学でないことが多いようです。
もちろん、英語取得だけが目的ならば、このような学校に入学して24時間英語漬けの毎日を送れば、英語力の向上には少なからず効果があると思います。滞在施設(寮)も外国人向けに比較的整備されているようですので、そういった点は安心かもしれません。
そして、以下のように注意しなくてはならない点もあります。
専用施設なので滞在費用が比較的に高め。
1-2カ月程度の短期滞在でしたら便利かもしれませんが、6カ月以上の長期留学には向かないと思います。
学校や時期によっては生徒のほとんどが日本人のことも。
特に日本の旅行会社や留学仲介業者でさかんに宣伝されているセブ島の語学学校は注意が必要です。もちろん同じ日本人の他の生徒や日本語の話せる現地スタッフがいればいろいろ安心なのですが、留学に行っても必然的にほぼ100%、日本人同士で固まってしまいます。せっかく海外留学しても日本の友人とスマホで会話したり、現地の日本人と日常会話を日本語で行うのであれば、海外に滞在する意味がありません。英語の語学学習には全くの弊害です。
現地の語学学校の場合、授業は基本的に英語取得の授業のみになります。
英語以外の授業(経営学、観光学、理系科目)は受講できないので、正規の学歴にはなりません。
Southville International School affiliated with Foreign Universities (SISFU)
サウルビル インターナショナル スクール
サウスビル インターナショナル スクール(Southville International School affiliated with Foreign Universities 通称:SISFU)は、マニラ市内にある私立大学、サウスビル インターナショナル スクール アンド カレッジの姉妹校で正規の大学になります。
この大学の特徴は、2年間をフィリピンで授業を履修したあとにイギリスの提携大学に1年間留学することにより最終的にイギリスの大学での正規の学位が取得できることです。取得できる3コースは、どれも経営・ビジネス関係になります。
大学の案内書によりますと、優秀な生徒のなかには、卒業後にアメリカやイギリスの一流大学に進学する生徒もいるようです。
日本のある私立高校と語学留学の提携があるようですが、日本人の生徒さんは、まだほとんど見かけません。
また将来、サウスビル インターナショナル スクール アンド カレッジに転校してビジネス以外の理系コースの道に進むこともできます。
学費はフィリピンでは決して安くない学校ですので、生徒はフィリピンの高額所得者層、モデルや芸能人が多く入学している学校のようです。規模は小さいですが、校舎や施設もエアコン完備で日本の学校と大差ない感じです。
フィリピンと日本では学校制度が異なりますが、日本の3年制高校卒業ならば、最短で2年間フィリピンで単位を取得し、最後の1年間をイギリスの大学 DE MOTOFORT UNIVERSITY で学んで学位(College Degree)を取得できるようです。
フィリピンでも通常の大学は4年間学ぶ必要がありますが、この大学は1年間で学ぶ単位が多いので3年間で卒業できますので、その分、学費や滞在費が節約できるようです。
ただし大学は単位制なので試験に合格して必要な単位を取得しないと先には進めませんので、大学レベルの英語力がない日本人が3年間で卒業するのはハードルが高いかもしれません。
在学中は徒歩圏内の近隣の学生寮に入寮することになります。大学は警備員が常駐している高級住宅街の中にありますので、治安は非常にいいです。
校舎
教室
近隣の学生寮
これとは別コースに、Culinary Programという調理師養成コースがあります。
これは3カ月から2年間の学習で、アメリカやオーストラリアのホテルやレストランで料理人として働けるようになれる資格を取得するプログラムです。フィリピン人の生徒さんを対象としていると思いますが、日本人の方も、将来ワーキングホリデービザでカナダやイタリアやオーストラリアで働くことを目指す方には英語力の取得と同時に技術も習得できますので、興味深い内容だと思います。
最後にアドバイスをさせていただくとするならば、もし将来は英語力の活かした国際的な職業や学業に従事したいと考えるのであれば、入学手続き等も安易に日本の代理店に依頼するのではなく、現地の行きたい大学や語学学校に自分で直接連絡して申し込むくらいの意気込みも必要なのかもしれません。